夢は夢のまた夢の中で。

ある時は泣きながら誰かを守り。
またある時は、泣きながら誰かを守る、誰かを壊したり。
夢の中は常に穏やかではない。

いい夢と言われる死の夢も、中々見ることはない。
再生、転生、進化。
夢を見るのは脅迫、追跡、圧迫。
追いつめられて、逃れられなくても夢はどこまでも、追いかけてくる。

夢を見ている。
はっきり理解しているのに私の脳は、眠ったままだ。
自由が利かない。
朝が来ない夜の世界を、徘徊。
まさにそれはいつかの白昼夢。
朝なのに、空は見えない。
夜なのに、空は明るい。
まるで、夜なんて存在しない。
夜と言う名の休戦。
朝と言う名の敗戦。
どこまでも。いつまでも。
誰かに追われては、誰かを追い詰めては、苦悩している。
たかが夢。
されど……。

守れないなら、守らなければいい。
見たくなければ、見なければいい。
そうして毎日、苦しむのさ。
罪悪感。
虚無感。

昨日は誰かを愛したかった私。
今日は誰もが憎かった私。
明日は私すら、殺したかった。

だって、居場所がなければ死んだも同然な私。
街の闇に紛れて息を潜めても、きっと奴はやって来る。
明日と言う名の絶望と切望。
紙一重の、世界を連れて。