『「目、閉じて…」と囁く』『かげみけ♀』を描きor書きましょう。
#kawaiiCP
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「なあ眼、閉じて?」 「な、なんすか……!?」 警戒心剥き出しの村井に比留間はにやりと笑った。 「いーから、閉じろ」 「うっ、うっす」 ワントーン下げて繰り返すとよく教育された村井はぎゅっと眼を固く瞑った。 眼を閉じると比留間の気配がより感じられる。体温が近づいてきて柔らかな感触が鎖骨辺りに押しつけられた。 その正体を考えないように他のことを考えようとしてもどうしても意識してしまい、ばしばしと自分の尻尾が立てる音が鼓膜を揺らす。 「うひゃあっ!?」 不意に耳許で呼気を感じておかしな声が出て慌てて口を塞ぐ。一度放たれた声は取り消せないと知りながらも、オスとしてのプライドなのだ。 「うっ、うおぉっ!?」 次に耳を優しく撫でられて、びくりと肩が跳ね上がる。視覚を奪われるといつもはなんとも思わないことがやたらと気になってしまう。 「はい、もういいぜ」 ふっと気配が離れてお許しの言葉を聞いた村井は眼を開ける。随分と長い時間闇に覆われていたように感じる眼は室内の灯りさえ眩しい。 時間の感覚さえおかしくなったような錯覚を覚えながら、結局比留間は何がしたかったのだろうかと頭部の獣耳を触って確認する。特におかしなことにはなっていなさそうだ。 「お前またなんか追っかけて茂みにでも入った?」 「へっ?」 なぜバレた。ばくばくと心臓が早鐘を打つ。 「いや、頭に蜘蛛の巣ついてたから」 「えぇええぇえ!?」 あまりの恥ずかしさにがっくりと項垂れる。自室に帰るまでに何人かとすれ違ったというのになぜ誰も教えてくれなかったのだろうか。 「ふっ、男前だったから取らない方がよかったかもな」 「えっ! ホントっすか!?」 「んなわけねぇだろ、バカ虎」