『相手の頬を両手で包む』『なおみけ』を描きor書きましょう。
#kawaiiCP
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「おやすみ、ミケ」 まるで壊れものを扱うような慎重さを持った指先が、優しく頬を撫でてそっと手のひらに包まれる。 そのまま筆舌に尽くしがたい美しい顔が近づいてきて、ちゅと唇を吸われた。 いつも眠る前に尚さんがしてくれる、よく眠れるおまじないのようなもの。 前に魘されて夜中に目覚めたことがあった。 愛されたい病が深刻だった頃の記憶が鮮明に蘇る夢を見て、心細さに起きた時には涙が頬を濡らしていた。 嗚咽を堪えきれずにぐずぐずと泣いて尚さんを起こしてしまったけど、彼女は嫌な顔をせずに抱きしめて髪に頬に額にたくさんキスをしてくれた。 あたたかさに寂しさは溶けていき、いつの間にか眠りに落ちていた。 ずっと愛されたかった。 太陽に熱されたコンクリートに水を撒いてもすぐに乾いてしまうように。一般的に人から与えられる『普通』の愛情では私の渇きは癒えなかった。 でも尚さんは私の渇きを潤すどころか溺れさせる。もう、尚さんでなくては物足りない。尚さんの愛情は息継ぎもできないほど、荒い波のように激しい。でも凪のように揺蕩わせる不思議な緩急がある。それが私には心地好くて、ずっとずっと翻弄されていたい。 「……おやすみなさい」 私も同じように尚さんの頬を両手で包み込んでみる。少し冷えていると感じるのは私がもう眠りに落ちる寸前だからかもしれない。 薄く微笑んだ尚さんはダメ押しと云わんばかりに私の目蓋に唇を落とす。 夢でも尚さんが傍にいたらいいなと思いながら、私は意識を手放した。