『背中にもたれかかっている』『なおみけ』を描きor書きましょう。
#kawaiiCP
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休日。そんなに外出が好きではない私は大体尚さんと一緒に過ごすことが多い。 特別何かをするわけではなくて、本当に一緒にいるだけ。各々好きなことをしているので、今も尚さんは読書中だ。 私はノートパソコンを開いて持ち株の情報をなんとなく眺めている。そんなに真剣にやっているものでもない。本当に気が向いた時だけの遊びみたいなものだ。 「んー」 少し、尚さんに構ってもらいたくなってくる。でも本を読んでいる尚さんの邪魔をするのは気が引けた。 パソコンを抱えたまま、尚さんが顔を上げたら視界に入る位置をうろうろしてみる。それでどのくらい意識が本に向いているのか確認していると尚さんがふと顔を上げてこちらを見た。 「どうしたの?」 「な、なんでもないです……」 そうは云いながらも気付いてもらえたことが嬉しくて。思い切って尚さんの隣に座ってそっと身体を預ける。 「ふふ」 尚さんは本を片手で持って、自由になった手で頭を撫でてくれた。気持ちよくて、もっと撫でてほしくて催促するように手のひらに頭を押し付ける。 「……あ、今いい感じかも」 心地いい場所を見つけて再びパソコンに視線を移すと、持ち株がどんどん高値になっているところだった。 「それ、株だっけ?」 「そんな感じです、売っちゃおうかな」 尚さんの傍に来ただけで好転するなんてラッキーだと思いつつ、さっさと売却してしまう。 「ふーん。そういうのできるならますます働かなくてもいい気がするんだけど」 「これだけで生活するのは大変ですよ、それに私は尚さんとできるだけ一緒にいたいので」 尚さんはどうしても私を家にいさせたいらしく、ことある毎に会社を辞めることを勧めてくる。その度に私も辞める意思はないと伝えているのだ。 「私のお嫁さんの枠はいつでも空いてるからね」 「はは……ありがとうございます」 ただでさえこんなに甘やかしてもらっているのにこれ以上甘えるのは罰が当たりそうな気がする。それに尚さんの傍にできるだけいたい。ある意味尚さんが今の会社を辞めることがあれば私もあっさりと辞めて後を追い掛けてしまうだろう。 パソコンを閉じて脇に置いて、最も安心する尚さんの胸に顔を埋める。 「私、今の生活が一番幸せですから。少なからず尚さんのお手伝いもできて嬉しいです」 「……ミケ」 そっと頬を両手で包まれて顔を上げると優しく唇が触れる。首に腕を回してもっと、とおねだり。ずっと触れていたい。くっついたところからどろどろに溶け合って、そのまま離れられなくなってしまえばいいのに。 尚さんさえいれば、私は幸せなのだから。