わたしは、気が向いたら『どちらかが5~10年後の自分と入れ替わった』景ミケを描き(書き)ます。もちろんフォロワーさんがかいたっていいのよ。 http://shindanmaker.com/433599
おかしなこととは、一度起これば、二度起こり、三度起こるようだ。 もうこれ以上驚くことなどないと、比留間ミケは思っていた。 しかし、無情にも驚かざるを得ない現象が、発生してしまったのだ。 「お前……景虎、か……?」 「そうっすよ! ミケさんはいつでもかわいいっすね!」 俄かには信じがたいことだ。 それでも、村井景虎と思わしき人物は突然眼の前に姿を現した。 先ほど比留間がよく知っている村井は真の飼い主である神頭瑞清に呼び出しを受けて、外出している。 また勤務中に子どものようなことをして、カリソメ飼い主から苦情でもきたのだろう。 設楽うさぎの躾部屋送りにならなかっただけでもよかっただろうと。目下性別が戻らないことにより強制的休暇が続いている比留間は他人事のように思いつつ、見送ったのだ。 なのに、反省文提出案件であろうことにも関わらず、村井はすぐに戻ってきた。 くどいようだが、突然ふっと現れたのだ。 「……瑞清の用は済んだのか?」 よくわからないが、瞬間移動のような技でも会得したのか。そう思った方がまだ現実的な現状に比留間は村井((仮)と称する)に問いかけた。 「あー……信じろって方が難しいとはよーくわかってるんっす。でも落ち着いて聞いてくださいね、はい、反射的に動かないように手、繋いどきますね」 「あ、ああ……?」 この村井(仮)、随分と自分のことを理解していると比留間は思った。確かにもう現段階で拳を振りかざしたいくらいには混乱している。 多分何を云われたとしても、自分のことを棚に上げて「正気に戻れ」と一発お見舞いするだろう。 「俺、五年後の世界から来たんっすよ」 「はああああああっ!?」 びくっと村井(仮)に繋がれた手が彼の云った通りに脊髄反射をしたものの、未然に食い止められた。比留間が知っている村井ならば強烈な一撃を食らっていたところだろう。 「信じられないっすよね、よーくわかります。でも本当なんっすよ。ちなみに五年後のミケさんも女の子っすよ」 「はあっ!? 俺もう一生戻らないんじゃねえの!?」 信じられないと思いつつも、五年経っても元に戻っていないという情報は素直に受け取ってしまう。 完全に信じたわけではない。 しかし、二度あることは三度ある。 奇事は繰り返すのだ。 「落ち着きました?」 「おう……」 いくら抵抗したところで、この村井(仮)が消えるわけではない。 さっさと受け入れてしまった方が楽になれるのだということは、己に降りかかった数々の受難から学んだのだ。 「…………」 よく知っているはずなのに、たった五年。それだけの時間が過ぎるだけで、村井は成熟したオスに成長するのだと比留間はぼんやりと見つめていた。 その世界の自分も同じように年を取って、相変わらずメスのままという知りたくなかったことを知ってしまったのだが。 五年。そんな月日が流れても村井は自分の傍に変わらずいてくれる。 大人びた雰囲気をまとった村井(仮)を見ていると、彼も視線を合わせて微笑んでくれた。 不思議な感覚に陥って、自然と熱がこもった視線を送ってしまう。すると村井(仮)は手を解放してくれたので、両手で彼の頬を包み込んだ。 顔を近づけて、唇が触れ合おうとしたその時。 「ミケさーん!」 現在の村井が、戻ってきた。 村井、村井(仮)、比留間の三人が固まる。 決して、不貞を働こうとしていたわけではない。何故なら、村井(仮)は村井なのだから。 「みっ、ミケさん!? だ、誰っすかそいつ!!」 「あ……ああ……」 面倒なことになった。直感的に比留間はそう思った。 自分でさえはいそうですか、とすぐに受け入れられなかったことを村井に納得させるのは骨が折れる。 「う、浮気なんて酷いっす!!」 「待て、違う。こいつの顔よく見ろ。」 「はい!? ……ま、まあ確かに格好いい……っておれえぇ!?」 「…………」 頭が痛い。比留間は両手でよく聞こえる獣耳を塞ぐ。 今はこんなぎゃあぎゃあと喚く恋人も、五年経てば少し、いや大分落ち着くのだ。 そう自分を言い聞かせるものの、少しだけ、五年後の自分が羨ましいと感じる。 「まあ、落ち着け五年前の俺。俺は五年後の俺だ」 「へっ? なんで五年後の俺がここに?」 「知らねえよ。気づいたらここにいたんだ」 村井(仮)が疲弊した比留間の代わりに状況を説明してくれている。 村井は柔軟にそれを受け入れて、すんなりと納得していた。 どうやら頭が硬かったのは比留間だけだったようだ。 「へー! ……って、そうなのか!」 「ああ! ……で、……なんだぞ!」 「…………」 自分同士のためか、村井たちはすぐに打ち解けて、何やら楽しそうに話している。 自分だけ、除け者にされたようで。比留間は耳から手を離して村井(仮)の背中にぎゅっと抱きつく。 「……ミケさん?」 「ちょっ、いくら俺でも今のミケさんは俺のだぞ!」 あんなに仲良くしていたのに、自分が村井(仮)に甘えるだけで嫉妬を剥き出しにしてくれることに、安堵する。 それが心地好いなんて、つくづく自分は歪んでいる。 そう思いながらもすりすりと村井(仮)の背中に額を擦り付けた。 「……ミケさんは悪い子っすね」 村井(仮)は伊達に比留間と長い時間を共にしてこなかったらしい。 意図なんてわかりきっているようで、それでいてあまり表には出していない被虐心を煽るようにそっと獣耳をなぞられて、ぴくぴくと震える。 「ふっ……あ、うぅ……」 獣耳の付け根から頬骨、首筋を撫でられるとふにゃと身体から力が抜ける。 「ミケさん、ここ撫でられるの好きっすもんね」 「んん……好き……」 「えっ!? どこっすか!?」 ぐるぐると堪らず喉が鳴る。絶妙な加減で擽られるともっともっと、とぐいぐい身体を押し付けてしまう。 「ここ、耳の付け根と首の間くらい」 「あふ……っ、やだ……いっぺんに触んな……っ!」 村井(仮)の指導を受けて村井も反対側を撫でる。村井(仮)と違い、撫で方はぎこちないものの気持ちいいことには変わらず、いやいやと首を振って逃れようとした。 「嫌じゃない、っすよね? ミケさんもう顔がもっとって云ってます」 「っ……!」 何だこの村井(仮)は。もう村井と別人なのではないかと思う。それでも、自分好みすぎて、こくっと小さく頷いてしまう。 「お、俺すげえ……」 村井が驚くのも無理はない。そもそも村井はこんな攻め方はしない。もっと直球(実直)で、比留間が絆される展開が殆どだ。 それはそれで、可愛いと思っていた。でもこういう風に意地悪くされるのも、嫌いではないのだ。 首筋を撫でる指先が鎖骨をなぞって、服の上からやんわりと胸を持ち上げるように揉みしだく。村井(仮)は比留間がその気になっていることに気づいているようで、甘い匂いを放つ首筋に舌を這わせて更に欲情を煽ってくる。 「あ……、かげ、とら……」 胸の先が手のひらに擦れて腰がむず痒い心地になる。村井ならすぐに乳首に吸い付いてきたりしてこんな風に焦らすような愛撫はしない。早く明確な刺激が欲しくて村井をじっと見つめる。 「お前も触ってやれよ。……わかるだろ?」 村井(仮)に云われて村井はようやく衝撃から解放されたように比留間の胸を真似るように揉み始める。二人を同時に相手をするのは久々のことで、それが二匹とも恋人という奇妙な状況に比留間は興奮した。 「や、だ……早く、触って」 曖昧な刺激がもどかしくて二匹の手に押し付けるように背中を反らす。彼らは同じようなタイミングでお互いの顔を見て村井がシャツのボタンを外して村井(仮)がこれまた焦らすように乳輪に舌を這わせるだけでそこには触れてもらえずじんじんと胸の先が疼く。 「あっ……あっ」 村井はいつも通りに赤子のようにちゅうちゅうとそこに吸い付き、ようやく与えられた刺激に堪らず声を上げる。それに反応するように村井(仮)も舌先を小刻みに動かして擽るように舐めてきてまた種類の違う刺激に尻尾の付け根が痺れた。 とろとろと蜜が溢れて止まらない。腹の奥がずっしりとした村井の肉の棒に満たされたくて疼く。 この場の主導権を握っている村井(仮)を縋るような眼で見つめていると視線を感じてか顔を上げる。ほしい、と懇願の念を込めて見つめるものの彼は気づかない振りをしてちゅうと張り詰めた胸の先を吸う。 「ひあぁっ! ひ、あっ、あ……っ!」 びくびくと甘い痺れが下腹部を中心に広がる。まさか、胸だけで軽く頂きを見せられるとは思わず余計に触れてもらえないことが辛くて脚の間に手を入れて自分で慰めようとすると、村井(仮)に手を押さえられる。 「まだだめっす」 「やだぁ……も、触ってぇ……」 お仕置きというように指先に舌を這わせられて、そんな些細な刺激すら辛くて眦に涙が滲んてくる。 「おい俺! ミケさんのこと泣かせんなよ!」 「だってミケさん、好きですもんね、こうしていっぱい我慢させられんの」 「っ、」 きゅうと胸が締め付けられて眩暈がする。五年後の自分はどれだけ村井(仮)に虐め抜かれて、その度にめろめろになって、喜びの涙を零しているのだろう。 「うぅ……好きぃ♡ 虐められるの、嬉しい……♡」 「えぇっ!?」 村井にも知られてしまった。秘めていた被虐性を。その事実すらも快楽に繋がってはくはくと入り口が物欲しげに収斂しながら涎を零していることを感じる。 たくさん刺激されてすっかり赤く色づいている胸の先を村井たちに舐められ、吸われながらもどかしさに腰を揺らしてシーツに陰部を擦り付けて僅かな快感を生み出して拾う。 「あっ、や、いく……っ、いきそ……っ♡」 あと少しで、というところで村井(仮)が胸から顔を上げて村井も倣らうように離れたので中途半端なところで放り出されてしまいぼろぼろと涙が頬を滑った。 「やだぁ……っ、おっぱい、吸ってぇ……っ♡」 「ふふ、ミケさん本当にエロくて素直でいい子っすね」 「お前ミケさんにキスして」と村井に指示して村井(仮)は再び胸に顔を埋めながら片手で村井の唾液で滑る乳首を指先で転がすように同時に愛撫する。 「んんっ、んっ、んく、くうぅ……っ」 村井に唇を塞がれながら胸だけの刺激で絶頂に導かれてびくりびくりと不規則に腰を揺らしてくたりと村井(仮)に身体を預ける。村井(仮)の手が頭を撫でながら獣耳の付け根を親指で擽り、休む間も与えられないことにまたきゅんと腹が疼いて村井に縋りつく。 「ミケさん上手にいけて偉かったっすね! じゃあ……」 腰から臀部に手のひらが滑って期待に自ら脚を開くと太ももまで滴った蜜が糸を引いて切れた。 「俺、がっつくなよ!」 村井(仮)が釘を刺すと興奮に鼻息を荒くしていた村井がうっと息を詰めた。村井(仮)は比留間の身体を後ろから抱き抱えて、蜜をたっぷりと吸って使い物にならなくなっている下着を脱がせる。メスの濃い匂いが漂い村井は誘われるようにそこに顔を埋めた。 「っあぁっ! あ、あ、舌、気持ちい……っ♡」 普段なら恥ずかしがってかぎゃあぎゃあと喚いて嫌がる比留間が嬉しそうに声をあげたことに村井は驚いた。舐めても舐めてもそこはとくとくと蜜を溢れさせてきて際限がない。膣内に舌先を潜り込ませるとやわい肉が絡みついてきて、より濃厚な味に逸物が張り詰める感覚が強まって痛いくらいだった。 じゅるじゅると音を立てて蜜を啜りながら陰核を吸い上げるとびゅっと顔に潮をかけられて、比留間の興奮が伝わってきて早く腹の奥にねじ込んで、突き上げたい衝動に駆られる。 「あ……っ、なか、も、挿れてぇ……おく、奥までいっぱい……」 辿々しく比留間が言葉を紡ぎながら自ら脚を持ってはしたなく陰部を曝す。そこは充血して粘膜が腫れ上がりひくひくと小さな口を震わせていた。村井はごくりと生唾を飲み込んで村井(仮)に視線でお伺いを立てる。 「まだ! って云いたいところだけどあんまり今のミケさん虐めたら後で怒られんのお前だしな……」 お許しが出たところで村井が窮屈な前を寛げると反り返って血管の浮き出ている凶暴な陰茎が勢いよく飛び出す。それを見た比留間はだらしなく口を開いてはふはふと犬のように呼吸を乱した。 「すごい……おっきい♡」 身体を重ねてぬるぬると陰部に逸物を擦りつけられると比留間は期待に瞳を蕩けさせる。蜜と村井の先走りが混ざってぐじゅぐじゅと音を立てて絡まり、入り口にその切っ先が宛てがわれるとぎゅうと腰に脚をまとわりつかせた。 「あっ、ああ、あっ、すごいぃっ♡」 ぬるりと先端を埋めただけでどろどろになった粘膜がべったりと隙間なく絡みついてくる。挿入が深くなるように腰を上げる比留間に合わせて腰を押し付けていくとすぐに奥にる子袋の口に当たり、どれほど比留間が感じ入っているのか体感させられた。いつもは行為の大分終盤の方にならなければこの感覚は味わえない。 「あっ、奥まできたあぁ♡」 現に本人はそのことに気づいていないらしい。村井はまだ陰茎を半ばまでしか埋めていないというのにすっかりと深く結合していると思っているらしく、ごろごろと嬉しそうに喉を鳴らしている。 しかしまだ残っている分も飲み込んでもらいたい。村井が更にゆっくりと腰を進めると比留間は眼を白黒させた。 「えっ、やあぁっ、なんでぇ、もう奥まできてるのにぃ……っ」 信じられない様子で村井を見つめる。それはこちらも同じだと思いながら奥の壁をぐんと押し上げると比留間は怯えたように総身を震わせた。 「や、やだぁ……っ、お腹いっぱい、なのにっ、やだぁ……っ」 言葉ではそう云いながらもびくびくと小刻みに中が痙攣してくる。 「やっ、こわ、こわいっ、かげ、とらっ、かげとらぁ……っ」 「ミケさん、大丈夫っすよ」 存在感を消していた村井(仮)が背後から比留間の顎を掬いあげてしっかりと唇を塞ぐ。積極的に舌を絡め取られるいつもとは違う口づけに比留間は混乱を極めてぼろぼろと大粒の涙を零した。心に相反するように身体は絶頂へ向かって村井のオスをしっかりと締め上げて、声にならない嬌声を村井(仮)に吸い取られながら全身を激しく震わせた。 未だかつてないほどきつく逸物を絞り上げられた村井が堪えきれずに奥の奥で熱を爆ぜさせるとその些細な刺激だけでも絶頂に繋がったのかぎゅうぎゅうと最後の一滴まで奪い尽くすように貪られて村井はぐっと奥歯を噛み締める。 「ふ……、あ、あ……あ……」 深い絶頂感に放心状態の比留間の唇を解放した村井(仮)は宥めるように頬に、髪に優しく唇を触れさせる。 「ミケさん、可愛かったっすよ」 改めて唇を重ねると少しずつ意識が戻ってきた比留間は自分好みの口づけに応えるように舌を伸ばしてざらつくそれ同士を擦り合わせて、こくこくと混ざり合った唾液を飲み込んだ。 「っ、おまえ……勃って、る……」 脱力して村井(仮)の背中に全身を預けると腰の辺りに熱く固い感触が当たり、それが村井(仮)の陰茎だと思うと妙な心地にさせられた。 「そりゃミケさん可愛いっすから、気にしないでください」 そんなことを云われると、ときめいてしまう。未来の自分に気遣ってなんてやれない。 今の村井(仮)は、自分に欲情しているのだから。 「……くち、くわえる……」 「んー……だって、俺、どうする?」 「うっ……い、いいぞ、俺だから! 特別だかんな!」 村井は渋々といった様子でそれを了承して深く貫いていた陰茎を抜く。比留間の身体ををうつ伏せにして、村井が腰を掴んだところで、村井(仮)が「あ、」と声を洩らした。 「いい子のミケさんと俺のために一個、いいこと教えよう!」 いいこととはなんだろうか。何か嫌な予感がしながらも村井(仮)の前を寛げて、やはり長大だと感じるものを咥えてじゅるっと先走りを吸い上げる。 村井と付き合う前にはこんなことをよくしていたと、懐かしい気分になる。 流石に同一人物のものを腹に受け入れながら口にすることはなかったが。 「うつ伏せのまま、ゆっくり挿れて」 「お、おう」 所謂寝バックをしようとしていることはわかった。村井はしたことがない体位のために手こずっているようで、もどかしさに尻尾がばたばたと揺れるのを抑えきれない。 「んあっ! ん、んうぅ……っ!」 ぬるっと先端が入ってきただけでも確かな挿入感に思わず身体が逃げようとして村井(仮)に縋り付いてしまう。村井(仮)は涼しい顔で優しく比留間の髪を撫でた。 「大丈夫っすよ、ミケさん」 何が大丈夫だと云うのだ。そう思うものの宥めるように頭を撫でられると脱力してしまって、じわじわと腹を埋めていくその質量に震える。 オスの身体の頃から元々この体位には弱い。それに加えて村井のものは太く硬い。 そんなものが奥までみっちりと隙間なく入ってきただけで、比留間は全身をびっしょりと汗で濡らしていた。 「で、奥の上の方……あ、軽くな! 思いっきりやるなよ!」 「っ、やっやだ! もう、やっ、」 比留間の泣き言に耳を貸す気がなかったのか、ただ単に聞いていなかったのかは定かではないが、村井(仮)の言葉通りに村井が奥の壁をぐっと押し上げると比留間はまるで雷に打たれたかのように全身を痙攣させた。 「やああぁっこわっ、こわい……っな、になにこれえぇ……っ!」 「っ、や、やば、きっつ……!」 過ぎた快感にばたばたと暴れる比留間を村井(仮)は冷静に押さえつける。 「ミケさん、大丈夫っすよ、力抜いて……って云っても難しいか……未だに腰抜かすからなあ……。」 「っ、ぜっ、ぜ、だいりょ、りゃ、にゃ、あぁ……っ!」 聞き捨てならない言葉に反論しようとしても呂律が回らない。イってもイっても切りがない。それどころか絶頂感が深まっていく一方で自分が自分で無くなりそうな、そんな恐怖が襲ってくる。 「っう、やだあ……も、イくの、やらあぁ、抜いてぇ……」 ぐずぐずと涙が出てくる。身体が言うことを聞かない。村井のを締め付けるのを止めれば終わるとわかっているのに、飽き足らないと何度も食い締めて快感を貪っている。もう自分では止められないのだ。 「うっ、動かせないんっすよ! ミケさんが押さえつけて、るっ……うぅ……っ!」 「やっ、やだあ……っ、びくびく、させな……っ、だ、出すのっ!? やっ、だめっだめぇ……っ!」 「ああ……ミケさん、声やばいっすね、ちょっと我慢しましょうね」 「んむぅっ!? うっ、ううぅうぅー……!」 すっかり放ったらかしにしてしまっていた村井(仮)のものを口に押し込まれて、ただでさえ満足にできていなかった呼吸が浅くなる。 もう何が何だか、わからない。 「っ、ミケさん……っ!」 「んうぅっ、うっ、ううぅ、んんんんー……っ!」 興奮した様子の村井に項を噛まれるとぎゅうと余計に腹に力が入ってしまう。そのためか村井は小刻みに腰を震わせて少しずつ、何度も陰茎を脈動させて白濁をじゅくじゅくに熟れた粘膜に浴びせてくる。 「んんー……っ、んっ、っかは……っ、あっ、あ、あうぅ……っ」 「ミケさん、がんばりましたね、いい子いい子……」 無慈悲に口を塞いでいた陰茎を抜いた村井(仮)が行動に見合わない優しい声で、穏やかに頭を撫でてくる。 恨み言なんて幾つでも湧いてきたのだが、悔しいことにやっぱりこういうのは嫌いではないのだ。 「ん、んん……」 「……いいっすよ、ミケさん。まだ気持ちいいの続いててつらいでしょ?」 立派に反り返っている村井(仮)のものに手を添えると彼は腰を引いてそう答えた。 きゅうぅと比留間は先ほどまでの加虐的な行動とは違う優しい扱いに腹を疼かせる。 「やだ……お前の、飲ませて……」 「……っ、やっぱり、ミケさんはいつでも可愛いっすね」 先端だけに舌を這わせながら含みきれない部分を指先で扱き上げる。濃いオスの匂いはまたたびよりもよっぽど頭をとろけさせて、ちゅっちゅと乳をねだる子猫のように甘く吸い付く。 村井も気を遣っているのか腰を動かすことはせずに背中に唇をつけて、吸ったりゆるく愛撫をするだけに留めていた。 「っ、ミケさん……上手っすね……、そろそろ、出しますよ」 「ん、んん……」 いちいちこの村井(仮)は心を甘く擽ってくる。村井(仮)の成長ぶりが恐ろしくて、きっと未来の自分は本当に彼なしでは生きられない状態になっているのだろうと、密かに嘆息する。 「んう、ん、ん……あ……」 「……はは、ミケさん本当にエロいなあ、いいっすよ、ごっくんして?」 村井(仮)が出したものを口を開けて見せる比留間にくしゃっと顔を歪めて答える。 ごくっとどろどろの液体が喉を滑る感触に身震いして比留間はぱたりとシーツに顔を埋めた。 「……がんばれよ、俺。五年後のミケさんめっちゃ綺麗だからな!」 「いやいや、今のミケさんだって可愛いっしょ!?」 「あー、まあ……、」 どんなミケさんでも可愛いよな。と二人で口を揃えていうと、村井(仮)の姿が少しずつ薄れていく。 「なんかよくわかんねえけど、じゃあな! 早く反省文書けよ!」 「あっ、やべっ……忘れてた!」 村井(仮)の登場によりすっかり忘れていたことを思い出して、村井は声を上げる。 「ん……」と寝入っていた比留間が小さく声を零したのを聞いて自分で口を覆う。 「ま……、後でいっか」 比留間は眠っているものの、余韻に浸っているのかきゅうきゅうとやわく逸物を刺激してきてつらいものがあったが深く触れ合ったまま、ひと時の夢に浸ったのだった。 いつだって君は、可愛くて格好いい自慢の恋人。